鳩は日常的によく見る鳥のうちのひとつですが、過去に鳩から被害にあって苦手意識を持っている人も多いようです。自宅付近や通勤経路、お気に入りの公園など、よく行く場所に鳩が多い場合、自宅の敷地内も鳩に狙われるのではないかと不安になりますし、実際に被害を受けてしまうケースも多いのです。
しかし鳩の種類や特性、適切な撃退法を知ることで、被害にあう前に鳩を撃退できるかもしれません。
今回は、自宅付近や近隣にいる鳩からの被害を避けたい方に特に役立つ情報をお伝えします。鳩に怯えずに済む生活を手に入れましょう。
目次
▼最も手強いのは繁殖力の強いドバト
まず日本に生息する鳩の種類を知っておきましょう。私たちが生活する上で最も多く見かける鳩は「ドバト」でしょう。ドバトは海沿いの工業地帯や神社のほかに、私たちがよく利用する市街地にも多く生息しています。
ドバトは「クルルルー」と鳴き、集団行動が多く、首筋の青と白のしま模様が特徴です。 このドバトが鳩の中で最も手強いとされています。後に詳しくご紹介しますが、ドバトは巣に対する執着が特に強く、一度巣を作ると、その場所が人間の住んでいる場所であろうと関係なく何度追い払っても戻ってきてしまいます。
さらに、ドバトは強い繁殖力があるため個体数は増加の一方で、それに平行して鳩被害も急増し続けており社会問題となっています。
▼キジバトも厄介!
ドバトの次に日本でよく見られる鳩が「キジバト」です。キジバトは森林地域や市街地に多く生息しています。
キジバトは「ドゥードゥー」「ポッポー」と独特な鳴き声で鳴き、単体行動が多く赤褐色のうろこ模様の羽が特徴です。
基本的にはオスとメスが一緒に行動していますが、まれに親とはクチバシや羽色が異なる子どもが紛れている場合があります。そういった場合は、近くに巣があるか作ろうとしている可能性があります。
▼鳩のおそるべき習性と被害
鳩は撃退する上でとても厄介な習性を持っている鳥です。さまざまな撃退法があるにも関わらず鳩が増え続けているのは、以下でご紹介するような習性を持っているためと言えます。
・一度狙われたら最後!?恐るべき鳩の執着心と記憶力
鳩は縄張り意識がとても強く、「帰巣本能」という習性を持っています。そのため、一度巣を作ると人が何度追っ払っても巣がある場所に帰ってきます。鳩がたくさんいる場所が特定されているのは、そういった鳩の執着心のためです。
鳩の帰巣本能は、鳩レースなどで1000キロ離れた距離からでも巣がある場所に戻ってくるほど、とても高いものです。
また、鳩は優れた記憶力を持ち、とても頭のよい鳥です。特定の人を覚えて識別できるほどの能力を持っています。例えば、公園で鳩にエサをあげている人がいますが、鳩はそういったエサをくれる人=安全な人、と認識するのです。鳩はこういった安心できる場所に何度も来るようになり、結果的にその場所に住み着きます。そうすると、その近隣で鳩の被害が多く発生してしまいます。
このように、鳩の執着心と記憶力は、鳩を撃退する上でとても厄介なものであるといえます。
・鳩を放置するとこんな被害が…
鳩を放置して住み着かせてしまうと、以下に挙げるような被害が発生してしまいます。
・鳩の糞で車やマンション・アパートのベランダが汚れる
駐車場の車やマンション・アパートのベランダ付近に住みついてしまうと、鳩の糞で汚れてしまい景観が台無しになってしまいます。
・鳩の糞で金属が腐食する
鳩の糞を金属に付着したまま放置すると、金属の腐食につながります。
・鳩の糞が害虫の発生源になる
鳩の糞からダニ、ノミ、シラミなど、私たちの体にも影響する害虫が発生します。
・早朝や夜間に鳩の鳴き声や飛び立つときの羽音がうるさい
鳩が自宅付近に住みついてしまった場合、早朝や夜間に鳩の鳴き声や羽音に悩まされることが増え、鳩の数によってはノイローゼになるほどの騒音問題に発展することもあるのです。
このように、多くが鳩の糞による衛生的被害が主ですが、羽音や鳴き声などによる騒音問題も深刻な被害のひとつとなっています。
たかが鳩と軽視しがちですが、私たちの生活や健康に害を及ぼすとなると、黙って放置するわけにはいきませんよね。
・害鳥じゃないの?法律に守られている鳩
鳩が自宅や近所に住みついてしまった場合、「追い払ってもだめなら駆除してしまえばいい!」と考える方もいるかもしれません。しかし、実は鳩は個人が無許可で駆除することができません。
理由は、鳩を含むすべての野外で生きる鳥類は「鳥獣保護法」という法律によって保護されているためです。具体的には、捕まえる、処分する、巣や卵を破棄するといったことが禁止されています。
ちなみに、鳩と同じように被害が多いカラスもこの鳥獣保護法の対象となっています。ともに害鳥としてのイメージが大きいカラスと鳩ですが、どちらも一般人が手を出せないとなると困ってしまいますね。
▼ドバトもキジバトも撃退する方法
鳩を勝手に駆除することはできませんが、適切な対策を行うことで、鳩を寄せ付けにくくすることができます。 以下に挙げる対策を行う前に、まずは鳩の糞や羽根などを丁寧に掃除しましょう。 掃除する際、糞の菌に触れたり吸い込んだりしないようにすることが大切です。糞を掃除できたら除菌スプレーを吹き付けてください。 掃除が終わったら、以下でご紹介する「鳩を寄せ付けにくくする対策」を始めましょう。
・蛇のおもちゃ
蛇は鳩が苦手な動物のひとつであることをご存知でしょうか。天敵である蛇のダミー(おもちゃなど)を鳩がよく止まる場所に置くことで、鳩が避けるようになります。
・CDのキラキラしている光
CDがカラス除けとして使えることは有名な話ですが、鳩にも効果があります。CDの裏面(キラキラしている側)を外に向けて設置することで、鳩除けになります。
・忌避剤によるにおい
忌避剤(きひざい)とは、鳩が嫌がるにおいや味が配合された薬品です。鳩がよく止まる場所に忌避剤を塗ることで、鳩が近づくことを防ぐことができます。
▼鳩を物理的にブロックし撃退する方法
上記のような「鳩を寄せ付けにくくする対策」を施しても鳩が寄ってきてしまう場合は、物理的に寄せ付けない対策をしましょう。
・テグスや防鳥ワイヤー
ベランダの上によく鳩が止まる場合、釣りで使うテグスや防鳥ワイヤーを、鳩が止まりやすいベランダの手すりなどにピンと張ります。そのようにテグスや防鳥ワイヤーを張ることで、鳩がそこに止まることを防ぐことができます。
・剣山
鳩がよく止まる場所に剣山を設置することで、剣山の長い針が鳩を止まれないようにします。
・ネット
鳩に侵入されたくない場所をネット(網)で覆うことで、鳩を侵入させなくすることができます。その場合、鳩が侵入しないようにほんの数センチの隙間もなくネットを張ることがポイントです。
▼一発解決!?かなり効果的に鳩を撃退する方法
鳩を寄せ付けない対策を行ってもなかなか鳩が立ち退かないのであれば、その時は「奥の手」を使いましょう。
・猫もしくはフクロウを飼う
鳩の天敵はいくつかありますが、その天敵をペットとして飼うことで、長期的な鳩よけ対策とすることができます。特に猫やフクロウは鳩対策のペットとして有能です。猫やフクロウを飼うことによって、住み着いていた鳩がいなくなったという報告もあります。
このように、猫やフクロウを飼うことは鳩対策としてかなり高い効果があるようなのですが、自宅が賃貸でペット禁止の場合など、難しいケースも多いでしょう。 あなたの今の状況と相談して、選択肢のひとつとして考えてみてください。
・もう打つ手なし!困った…!というときは
鳩が巣を作ってしまい、どのような対策をおこなっても効果がなくて「もうお手上げ!」という場合は、鳩の駆除業者に相談してみましょう。鳩駆除に特化した業者であれば、鳩の生態や適切な対策はもちろん、状況に合わせた予防対策などにも詳しいため、安心・安全に鳩対策を任せることができます。
・相見積もりを活用すれば、撃退グッズよりお得になるかも!?
鳩の対策を業者に依頼する場合、まず気になるのが「対策費用」ですよね。できるだけお金をかけたくないけど、しっかり対策して鳩の被害はなくしたい。誰しもそう思うことでしょう。
お得に鳩対策をしたいということでしたら、「相見積もり」をしてみましょう。相見積もりとは、複数の業者に同じ条件で見積もりを出してもらい、価格や条件を比較することです。
まずはインターネット上の口コミサイトや比較サイトから気になる業者をピックアップし、見積もりを依頼します。業者側としても、多くの競合業者の中から自社を選んでもらいたいものですので、他社に負けまいと価格を下げてくれることもあるでしょう。
業者に依頼する費用の相場は、個人宅ですと30,000円~80,000円ほどがだいたいの目安となるようですが、実際の対策内容・場所によって大きく異なります。そのため、きちんと把握したい場合は無料見積もりを利用するのがおすすめです。
その際に相見積もりをすることで、自分の求める条件に合ったお得な業者を選ぶことができます。結果的に、個人でいくつもの鳩撃退グッズを買ってまで対策を施すよりも、プロに依頼したほうが費用を抑えられるケースも少なくないようです。
▼まとめ
いかがでしたでしょうか?私たちの生活の中で鳩による被害は悩ましいものです。被害が長引き、より深刻になってしまう前に、適切な鳩対策を行って安心・安全な生活を取り戻しましょう。 もし「自分では対処が難しい」「業者に依頼するのも不安」と感じたら、ネットの口コミや比較サイトを参考にしてみることで、問題解決に近づけるかもしれません。今回ご紹介したように、鳩対策は時間との戦いでもあります。鳩の数や巣が増えてしまう、被害が近隣にまで広がるなど、手遅れになる前に一度プロに相談されるのが安心でしょう。